神と仏編㉚ー5

 週に複数回、指導官が制服の検査を行いました。それは徹底的なものです。帽子は完璧にのりがついているか、制服にはシワがないか、ベルトは輝いているか、穴やシミなどがないかどうかです。

 しかし、どれだけ帽子を糊付けし、制服のシワを伸ばし、ベルトのバックルを磨いたとしても十分ではないようでした。指導官は何かしら粗を見つけます。そして、この制服検査に引っかかると、訓練生は服のまま海に入って、ビーチの上を転がらなければなりません。全身が砂まみれになるまでです。この状態のことを「シュガー・クッキー」と言います。その日はその制服のまま過ごさなければなりません。多くの訓練生がすべての努力が無駄だったという事実を受け入れられませんでした。自分にはできる、完璧に着こなせる、と自身満々の訓練生は、この訓練を乗り切ることができませんでした。

 彼らは訓練の目的を理解していなかったのです。彼らは永遠に成功することはできなかったでしょう。どんなに準備をして、よく振る舞ったとしても、人生にはシュガー・クッキーに終わることが多くあります。それが人生というものです。

 そして、世界を変えたければ、シュガー・クッキーを乗り越え、前に進み続けることです。