神と仏編㊲

 ある人が誰かの心を傷つけたとしたとき、そのある人を裁くのは、神ではありません。また、ほかの誰かがその人を裁くわけでもありません。彼を裁くのは、ご覧なさい、彼自身なのです。

 したがって、彼らがあなたを侮辱するときは、この言葉は彼ら自身に向けられた言葉なのですから、心を揺さぶられることはありません。勇気を持って受けてください。

 

 私たちは他人の罪を裁かず、罰せず、ただひたすら愛をもって導くこととしています。したがって、人に説教するときは、よくよく慎重であらねばなりません。

 すべての人間が、自分の思念と言葉と行為に慎重でなければなりません。

 ただし、語ると決めたら遠慮なく思いのままをしゃべることです。誠意さえあれば、その考えが間違っていたとしても、間違いを恐れて黙っているよりは歓迎されます。

 たいていの人間は、自分の中にある何か高いものを求め始めるときの、いらだちと不安を覚えますが、いつもすぐにそれを引っ込めてしまいます。というのも、上り行く道は険しく難儀に満ち、落後するものが多いからです。

 その道を最後まであきらめず頑張って行けば、その労苦も報われますが、彼らがそこまで悟れることは稀です。