神と仏編㉚ー4

 数週間の苦しい訓練で、当初150人いた私のクラスは42人にまで減りました。いまや7人構成のボートチームが6組だけです。

 私は背の高い乗組員たちのボートに乗っていましたが、ボートチームのうち、最も優れたチームは背の低い乗組員たちでした。彼らは「子猫組」と呼ばれていました。168センチを超える身長のものはいません。彼らは、インディアン、アフリカ系、ポーランド系、ドイツ系など様々です。彼らは、漕ぎ、走り、泳ぎ、すべてにおいてほかの乗組員より優っていました。

 子猫組が小さな足につけるかわいらしい足ひれを、他のチームの大男たちはいつも陽気にからかうのですが、どういうわけか、この小さな男たちは、笑いながら誰よりも速く泳ぎ、大男たちよりも先にゴールに着いているのでした。

 シールズの訓練では、肌の色や民族、教育、社会的地位を重要視していません。重要視されるのは、成し遂げるという気持ちだけです。世界を変えたければ、足ひれのサイズではなく、心の強さで他人を測りましょう。