神と仏編㉚ー7

 陸戦訓練において、訓練生は岸から遠く離れたサンクレメント島へ泳がされます。サンクレメントの水は、ホオジロザメの生息に適しています。

 シールズの訓練を通過するためには、一連の遠泳を完了しなければなりません。そのひとつは夜間水泳です。そして、泳ぐ前には、サンクレメントの海に生息するサメの生態について指導官が楽しげに訓練生へ伝えます。「安心しろ、記憶の限りでは、食べられた訓練生はいない。」とも教えられます。

 もしサメが自分の周りを取り囲み始めたら、そのままとどまり、逃げようとしないことです。怖がるそぶりを見せてはいけません。もし、空腹のサメが夜食を求めて向かってきたら、すべての強さを奮い起こして鼻先をパンチすることです。そうすれば、サメは逃げていくでしょう。

 世界には、たくさんのサメがいます。最後まで泳ぎ切りたければ、空腹で獰猛なサメに対処しなければなりません。だから、世界を変えたければ、サメに背を向けてはいけません。