教育編②

 そういえば、こんな絵本があった。この地上には、ふと目をこらすと霊界からの通信記録が所々に散見されて、この絵本も明らかに真理を含んでいたので概要を記録しておいた。

 守護霊の姿をわかりやすく説明しています。

 

 ちいさなクマは、おばあちゃんクマと二人暮らしだった。

 おばあちゃんクマが唯一の親族だった。

 おばあちゃんクマが死に、ちいさなクマはひとり取り残された。

 あまりのショックに涙を流すこともなかったちいさなクマは、おばあちゃんクマの遺品であるメガネを常に付けるようになった。

 メガネは度が合っていないので、これをかけている間、クマは周囲のものを見ずに済んだ。

 やがて、クマの視力自体が弱くなっていった。

 ちいさなクマは食欲もなく、何も食べられなかったのでどんどん痩せていった。

 そんなクマの家の前には、いつしか食料が置かれるようになっていた。

 状況を見かねたウサギがこっそりおいたものだが、クマがこれを食べることはなかった。

 それでも小さなクマを救おうとするウサギは食料を置き続けた。

 ちいさなクマは衰え、ある日、ついに倒れた。

 クマは内心喜んだ。これでおばあちゃんのもとに行ける・・・。

 この様子を窓から見ていたウサギはいそいで家に駆け込み、意識がないクマを必死で看病した。

 柔らかい布団に寝かせ、温かいスープを飲ませた。

 うっすらと意識が回復したクマの目にウサギの後ろ姿が見えた。

 クマの目には、ウサギの耳が天使の羽に見えた。

 クマの容体が回復したと見たウサギは、クマが目覚める前に立ち去った。

 目覚めたクマは、助けてくれた人を探そうと、メガネをかけたまま玄関を出た。

 視力が合わないので、そこに置いてあった食糧につまずき転んだ。

 その拍子にメガネが外れて地面に落ちたので、おばあちゃんのメガネは壊れてしまった。

 ちいさなクマにとっては、おばあちゃんとの唯一の思い出である。

 おばあちゃんクマが死んでも泣かなかったクマは、壊れたメガネを見て初めて泣いた。

 とても長く、大きな声で泣いていたので、その声は周囲の森に響き渡った。

 しばらく泣いてからふと気が付くと、森の中からすすり泣く声が聞こえてくる。

 クマは目をこらしたが、視力が弱っているので誰が泣いているのか見えない。

 クマを意を決して、すすり泣く声に向かって歩き出した。

 歩き続けるなかで、弱っていた目は元に戻った。

 泣く声に近づき、その目でよく見てみると、すすり泣いていたのはウサギだった。

 ウサギはちいさなクマが涙する姿に悲しんでいた。

 この様子を見たクマはすべてを悟り、ウサギに手を差し伸べ言った。

「きみはずっとぼくのそばにいてくれたんだね。」