神と仏編㉒

A「自分を犠牲にして他人のために尽くす。しかし、同時に自分の肉体を管理しなければならない。この提言はなんとも矛盾しており、実行するにはなかなか受け入れられないと考えられますが、いかがでしょうか。」

 

B「提言に矛盾があるように思えるのは、その考え方に矛盾があるからではなく、言語の表現能力そのものに限界があるためです。

 先の提言の意味は言葉のとおりです。物的な体を救う機会が訪れたなら、積極的に体を救いなさい。これを犠牲にする機会が訪れたなら、感覚を麻痺させてでも進んで体を犠牲にしなさい、ということです。」

 

A「他人に尽くそうという時に、その他人に対しこちらが憤慨しているようなケースでは、仰っていることを実現するのは不可能ではないでしょうか。」

 

B「あなたご自身が不可能とお考えになっているのなら不可能です。しかし、そのうちこのようなことを体験なさると思います。つまり、怒りの感情を忘れるもののうちの一つは、地上生活での義務感であるということです。本来、神に仕えるあなた方には、地上生活で果たさなければならない仕事があるうちは、怒っている暇はないということです。愚かな他人へ怒っている暇があるなら、別の他人のために尽くしなさい、ということです。」