2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

償いと試練編㉚

彼がその職場の出来事にて謙虚さを学ばされたのち、彼の進化のための体験の場は家庭へと移ります。 季節はうつり、肌寒くなりかけるころ、彼はしばしば家を出て夜道を歩くこととなりました。彼は、彼の家族から大いに責め立てられ、対応等を問われ続けること…

償いと試練編㉙

続いてこうも述べています。 あなたは悲しむ人を慰め、落ち込む人に勇気を与え、苦しむ人を救い導いてきました。ところが、いざ自分の身に災いが降りかかると、それに屈してしまうのはなぜでしょうか。人のために自己を忘れ奔走する者も、いざ自分の身に試練…

償いと試練編㉘

次に、怒ることについてはこうあります。 御父は7つの徳を設けられ、人の子らの成長のために彼らへ選択と自由を与え、その7つを選択するかどうか試されました。 この7つの徳を選んだ人の子には栄光を約束し、選ばなかった子には苦しみが与えられるよう地…

償いと試練編㉗

次に、真理に関する言葉を語ることについてはこうあります。 地上の人が真理に関する言葉を語るとき、それは苦しみの体験を経て受け取った真実の言葉でなければいけません。決して、自身の傲慢から生まれた言葉ではいけません。 それは、かつて真理の探究者…

償いと試練編㉖

○ 結婚8年目5月 謙虚さについて痛感した彼でしたが、依然として怒りにさいなまれ続け苦しむ彼に向かい、彼の守護を司る心優しき者達は次のように語り続けました。 あなたを辱め、侮辱し、怒りを抱かせる者と日常生活を送ることは苦痛を伴い、苦しみが常に…

償いと試練編㉕

その人の真理に反する考え方を改めさせるため、もうダメだというところまで人を追い詰めたのち、窮地から救うことができるのは天の御父の御業です。 彼の霊の向上進化を祈り、今の彼に必要不可欠なものであると知りながらも、彼が抱く苦しみに向け涙を流しな…

償いと試練編㉔

彼の顧客となった女性(W)は、自分の目的の達成において彼が障害になる者であるとわかると、彼の利害関係者を利用し圧力をかけ、またW自身も執拗になって彼を問い詰めました。 日常の体験というものは、そのすべてが霊の経験として記憶されるものではありま…

償いと試練編㉓

○ 結婚7年目9月 彼はこれまでに得た記録のすべてをもって啓示のすべてと考え、それらはすべて自分だけのものであると高をくくり、いつしか彼の周囲の人間を見下し、真理を得たのは我だけと優越感に浸り、高ぶる者となり、その内面の傲慢さは目に余るもので…

償いと試練編㉒

○ 結婚7年目5月 彼と彼の妻が結婚してから、7年が経過しようとしていました。この間、彼らは1人の女の子を授かりました。 彼は7年前の苦難を肥やしとして、また、補佐する者たちの援助により彼には真理のごく一部が与えられましたが、それは単なる知識…

償いと試練編㉑

彼と彼の父親(A)との間で、Dに関して先のやりとりがあってから数日が経ちました。 それまで、Aは家の敷地に自分の車両を駐車することで、彼夫婦に車を駐車させないといったことをしておりましたが、彼が気づくとそれがなくなっており、彼が駐車できる状…

償いと試練編⑳

彼がスマホを通して見た通信記録というものは、当時の彼に知識を与え、同時に彼を勇気づけるものでした。 彼の魂は、日常生活の苦しみという日照りによってカラカラに渇いており、その喉を潤す知識を求めていたのです。 その知識の概略は、次のとおりです。 …

償いと試練編⑲

こうした日々が続くなか、彼は必死に救済を求めました。 引っ越すこともできなければ、その場に居続けることも困難であるという、八方塞がりの状態だったからです。 彼の父親であるAの金切声と嫌がらせ、また、彼の妻の非協力的な態度などに苦しめられ、夜…

償いと試練編⑱

飲酒中、彼の父(A)の顔つきは変貌し、それはまさにAの弟(D)のものでありました。目つきが変わり、耳の形が変わり、声までも変化します。 彼はその顔に見覚えがありました。それは一見父親のようですが、すでに別人です。かつて彼が一度だけ見たDの姿が…

償いと試練編⑰

彼の叔父であるDの自我は、地上生活で利用していた肉体の機能停止とともにそこを離れることとなりました。生前と同じ性格や嗜好を保有したまま、しばらく呆然とそこにたたずんでおりましたが、ふと家に帰ろうと思いつきました。Dにとって唯一の生家があるか…

償いと試練編⑯

○結婚1年目 彼が地上に降りて30年を向かえる頃、彼の父(A)の弟(D)が死亡しその肉体から離れました。 Dは生前定職に就くことがなく生活を送ることに困難があったことから、Aから時々生活費を工面してもらっていました。 彼の母(B)は面白くありません…

償いと試練編⑮

彼の妻の言動は利己的な動機に基づき行われ、自身の肉体の維持いう観点から最も都合がよい選択肢を選びます。 ここで注意を必要とするのは、これは特に非難されるようなことではないということです。霊が地上の体験を享受する上で与えられた肉体は必要不可欠…

償いと試練編⑭

○婚姻前 彼の霊を向上進化させるため、あらかじめ計画されていたプランが実行されようとしていました。これを援助するのは彼を補佐することを誓ったものたちです。 そのプランは、彼にある人物をめぐり合わせることで日常生活における数々の試練を経験させ、…

償いと試練編⑬

彼が仕事を始めるようになり経済的に自立すると、これまで彼が依存していた悪い木たちから離れて物事を考えるようになりました。 彼は悪い木に成った悪い実であることには変わりありませんが、時には、これまでの彼の行いを原因とする苦しみを振り返り、地上…

償いと試練編⑫

霊の向上進化のためには苦難が必要であると直感し、天へ百の苦難を求めた彼でしたが、その純粋な意識は地上で日常生活を送るなかで徐々にすり減っていき、やがて人生の目的さえも見失いつつありました。 大海原を羅針盤や航海図を用いることなく放浪するよう…

償いと試練編⑪

彼にしても、彼の父母や姉にとっても、それぞれ信じる対象があります。彼らには彼らにとっての御父がおられます。日本の八百万の神の概念は、このことを如実に言い表しています。 荷物は、その大きさよりも小さい道路を通過することができないように、それぞ…

償いと試練編⑩

この頃の彼を取り巻く家庭状況は、次のとおり整理できます。 彼の父であるAは彼を救うことが出来たが、自分を優先し彼を救わなかった。 彼の母であるBも彼を救うことが出来たが、むしろ迫害した。 彼の姉であるCも彼を救うことが出来たが、自分を優先し彼…

償いと試練編⑨

ある家庭内の出来事について(記録②) そのようなことが日を異にして数回発生したある日、彼はついに耐えきれず泣いてしまいました。そのような彼にBの言葉が刺さります。 「泣くなら外に行って泣きなさい。」 彼はそれに従いました。玄関を出て、軒先でひ…

償いと試練編⑧

ある家庭内の出来事について(記録①) 地上に降りた彼が生まれてから7年ほど経過した頃の話です。 彼の肉体である脳はその働きが明晰とはいえず、彼と11歳離れた姉(以下、C)に比べ学校の成績に差があり、特に算数の理解に劣りました。 そのころの彼の母…

償いと試練編⑦

彼の地上の母(以下、B)は、偽善者です。 Bには男子(彼)のほかに女子がおり、この女の子は頭脳明晰で地元で評判でしたが、同時にBの嫉妬を買った結果、日常的に心ない言葉が浴びせられ、それにより肯定感が養われず否定的な観念が精神を支配することと…

償いと試練編⑥

彼が地上で成長することとなった木は、悪い木でした。 悪い木からは良い実は決してなりません。 このため、生前に成長としての地上生活を願望した彼の霊ですが、肉体をまとった初期から、悪い木の影響を多分に受けることとなりました。 彼の地上の父(以下、…

償いと試練編⑤

○誕生時 彼の霊は、魂の向上に必要な体験を得るため地上で生活することになり、地上生活に必要な肉体を授かることとなりました。これは、霊が構成要素の異なる地上物質に影響を与えるには、同じ物質である肉体を仲介する必要があるためです。 彼が肉体を授か…

償いと試練編④

また、彼を補佐する者達のうち、高い位置にある方は次のように言いました。高い位置にある、といいましたが、これはいわゆる「高ぶる者」を意味するのではありません。そのお方は、愛、寛容、慈悲、奉仕の精神にあふれ、御父の栄光と喜びに比較的近い位置に…

償いと試練編③

しかし地上という環境は、精妙な霊の輝きに比して鈍重であるという性質故に、肉体を代表とする物質的制限のため、肉体に包まれた者は、補佐する者達の存在を容易に鑑識することができません。 日常的に挨拶を交わすといったことが難しいのです。 彼の自我が…

償いと試練編②

そこで彼の自我は、試練の場である地上において、彼に必要な試練を御父に求めました。他の手段では絶対に得られることがない、進化に不可欠の葛藤と試練を求めたのです。 これは、地上の試練によって自我を苦しめ、御父の子らが言うところの浄化の炎によって…

償いと試練編①

この記録は、ある者にとっては薬であり、ある者にとっては毒となる。 ○ 誕生前 かつて、彼の自我が地上で肉体を持っていたころ、彼の自我は、御父に対して大いに罪深いものでありました。 彼は、未熟故にそのことに気づきませんでしたが、何度か肉体が滅ぶと…